そのほかの自然
●黒潮の育む海の生き物
海では、黒潮の恩恵によって南方系の海水魚が見られます。春から秋にかけて、ナンヨウツバメウオやミヤコキセンスズメダイなど、
南の海で生まれた海水魚が黒潮に乗って運ばれてきます。サンゴの種類も約90種と豊富で、多様な生き物を観察できます。
ナンヨウツバメウオ(幼魚)
ミナミハコフグ(幼魚)
オトヒメエビ
ミヤコキセンスズメダイ(幼魚)
ミヤケヘビギンポ(婚姻色)
ユビワサンゴヤドカリ
サザナミヤッコ(幼魚)
アオウミガメ
富賀浜のサンゴ群集
●火山活動が織りなす独特の景観
三宅島では火山活動によって生じた独特の地形を随所に見ることができます。海底噴火によって一夜にしてできた「新鼻新山」や、
1983年噴火の溶岩で埋まった「旧阿古小中学校跡」など、火山活動の凄まじさと計り知れない自然の力を見ることができます。
新鼻新山
旧阿古小中学校
七島展望台
椎取神社の埋没鳥居
メガネ岩
ひょうたん山
●貴重な照葉樹林と火山活動から回復しつつある森
島の北部から北西部、南部の山麓には、スダジイやタブノキなどからなる貴重な照葉樹林が見られます。2000年噴火の火山ガスの影響
により森林の6割が消失し、裸地となった場所もありましたが、ハチジョウイタドリやオオバヤシャブシが裸地に入り込み、続いて、ハチ
ジョウキブシ、オオバエゴノキなどが生育します。そして、長い年月を経て、スダジイやタブノキなどの照葉樹の森へ変わっていきます。
古くから何度も噴火を繰り返してきた三宅島では、溶岩原から照葉樹林ができるまでのさまざまな段階を間近に観察することができます。
また、巨樹も非常に多く、度重なる噴火が起きながら生き続けるそれらの巨樹の凄さを感じることができます。
ハチジョウイタドリ
椎取神社(2003年)
オオバヤシャブシ
椎取神社(2011年)
スダジイ
照葉樹林